時代の流れ”IoT、インダストリー4.0”にどう対応していくか 2

第3次産業革命を理解しないと第4次が見えてこない

第3次は、自動化とオートメーションの大量生産の時代と言われている。
 技術的な本質は、機械を電気で動くモーターとリレー回路をシーケンスに動くようにしたことによって人の手を使わずに”自動的”に作業するものを作りだしたことにある。
 言い換えれば、ものを作るという生産工程を自動化し、一日の生産量を人の労働時間8時間から24時間にし単純計算で生産性を3倍にできた。ただ”自動機”になじまない”組立”工程はベルトコンベヤーの前に立ち人が立たざるをえなかった。その理想と現実のギャップをチャップリンは映画”モダンタイムス”で表現した。
 FANUCの黄色アーム型ロボットにより、最後に残された組立工程をも”自動化”し人手を必要としなくなり、”完全無人工場”が実現するはずであった。
 工場は単一機種の生産であればあるほど段取りも、資材も同じですむので生産性は最大化される。作る側にとっては最高の条件である。しかし買う側である消費者はそれでは飽き足らなく、他とは違ったものを求める。そこで仕方なく工場は移り気な消費者に合わせて”多品種少量生産”をしざるをえなくなる。
 そこに運よく生まれたのがマイクロ・コンピュータである。それまで大型で超高額であったコンピュータが小型でかつ安価で出回る時代となった。変動する条件をコンピュータに即座に計算させシーケンス制御と連動させることで変動を吸収することができるようになった。
 当時私は町工場でこの移行の真っただ中いた。NC機械をCNC機械と呼ばれた頃である。CNCとはコンピュータ付きNC(Numerical Control)工作機械という意味なのだが、私はその意味がさっぱり理解できず複雑になったCNC工作機械を動かすことで悪戦苦闘した思い出がある。
 同じ第3次の自動化の世界は、まるっきり違うふたつラダーとプログラミングの世界がひとつになった時代ともいえる。
 第4次産業革命はこの第3次の世界をそっくりそのまま残して設計されている点が重要な視点である。